
宮殿を模した本園のレストハウスから芝生広場に向かって、メインフォールの滝、カスケードの流れ、キャナルのリズミカルな小噴水、そして天高く噴き上がるダイナミックな大噴水と続き、まるで海へ注ぎ込むような水の流れは、離宮公園のテーマの一翼を担っています。
鮮やかな緑の芝生と真っ青な空と海、広場をとりまく濃緑と色とりどりの花々に加え、夜間の噴水ライトアップ等が季節ごとの表情を作り出します。
※夜間開園は、季節やイベントにより実施します。

旧離宮であった歴史にちなみ、日本の皇室や王侯貴族、芸術家などの名を冠した品種を集めたバラ園です。詳しくはコチラ

3年に1度開催される世界バラ会議で選出された「世界殿堂入りバラ」。歴代選出17種すべてを植栽しています。(※2020年現在)

原種のバラやオールドローズを中心に植栽しており、バラの品種改良の歴史をたどることができます。

6月に入ると、花しょうぶ園はしっとりとした和の風情につつまれます。
青紫色の「長井小紫」「華紫」、可憐な白色の「明石」、そしてうすピンク色の「児化粧」や白に紅紫の覆輪が入った「初紅」など、約60種4,000株のハナショウブが咲き誇ります。見頃となる6月上旬〜中旬には、花しょうぶ観賞会を催します。
夏にはスイレンやコウホネなどの水生植物の花が見られます。カワセミやアオサギなどの野鳥も訪れます。
12月〜4月にかけて、早咲きから遅咲きのツバキが次々と開花していきます。ツバキ研究家の故 安藤芳顕氏寄贈のツバキもあります。
源氏物語の主人公、光源氏のモデルといわれている 在原行平(在原業平の兄)が、須磨で月見をした松が月見台付近にあったといわれています。

傘亭は、大正3年に造営された武庫離宮内に建てられた、一本柱・六角形屋根の四阿舎で、青銅製擬木の柱や竹穂葺屋根という全国的にも珍しい特徴を持った四阿舎です。
昭和20年の神戸大空襲で屋根部分が焼失したといわれ、柱だけが残っていましたが、平成18年から、この傘亭を復元しようと市民を中心とした積極的な取り組みが行われ、団体などの協力も得て、平成23年10月に復元されました。
約1,000年前の平安貴族、在原行平が月見をしたと伝えられている月見の名所。展望がすばらしく、大阪湾を一望でき、和歌山の友ヶ島や淡路島まで見ることができます。

緑豊かな中で体力作りをしながら森林や自然の雰囲気を肌で体感できるアスレチックです。大阪湾が一望できる公園中心部の小高い森の中に、遊具28基を連続して配置し、一巡できるようになっています。詳しくはコチラ
フィールドアスレチック「子供の森冒険コース」に隣接する広場。2段に分かれている土の広場と屋根付のテーブルとベンチがあります。

幼児向きの遊具コーナーです。複合遊具やブランコ、ジャングルジム、スイング遊具などがあります。頭上には第2神明道路があり、夏でもあまり直射日光に当たらずに遊べます。

お子様に大人気のジャンボすべり台。
今では珍しくなったコンクリート製のすべり台で、かなりスピードが出ます。ご自分でスピード調節のできない小さなお子様や大人の方の利用はご注意ください。

離宮道の松並木を含めて離宮当時の面影をとどめています。正門の外両側の亀甲石積みは豪華。
中門広場へ続く馬車道沿いの斜面には、装石(ロカイユ)という壮大な岩組みが設けられています。

須磨離宮公園の前身は、皇室の別荘である「武庫離宮」(大正3年竣工)です。御殿は戦火により焼失してしまいましたが、中門とそれに続く白壁はそのままの姿が残っており、往時を偲ぶことができます。
「武庫離宮」の露台(物見台)として築造されました。花崗岩でできた腰掛けと積石手すりは、城壁を思わせるデザインで当時のまま残っています。
テーブルとイスが8セットあり、自由にご利用いただける休憩スペースです。園芸や工作などの当園イベントの教室としても使われています。
石組みを流れ落ちる滝は涼感を誘い、水の音が心地良さを感じさせるみどり滝。ここに秋が訪れると、滝にかかるもみじの葉が水面に映り、錦色に染まります。
離宮公園の紅葉はみどり滝から花の庭園、和庭園、もみじ道へと続きます。11月中旬から下旬、市街地にある身近な紅葉をお楽しみください。

約1300m2のこぢんまりした花の庭園は、シンメトリーな空間にトピアリーを配置させた落ち着きのある洋風庭園です。バラをはじめ、いろいろな宿根草、一年草の草花を用い、泉や壁泉、そして芝生が調和した空間で、プライベートガーデンのようにゆったりとした時間がお過ごしいただけます。
離宮公園では、数少ない土の広場です。
秋にはモミジの紅葉が楽しめます。広場周辺に多いカツラの木の落葉は甘いキャラメルのような香りがします。
三段の階段上に組まれた石段から清らかな水音が響いています。
近くにあるラクウショウの気根が見られます。
約500m2の展示室に、主に亜熱帯・熱帯の植物を展示しています。季節の花のディスプレイのほか、「ポインセチア展」などの特別展示を年に3回行っています。

2月になると、約1,500m2の梅園に約25種160本の梅が咲き、あたりは馥郁とした梅の芳香に包まれます。「鹿児島紅」などの紅梅や「白加賀」などの白梅があります。メジロたちが梅の間を飛び交う様子を眺めると、心は歌人となって短歌の一句も浮かんできそうです。
見頃となる2月上旬から3月上旬には、梅見会を催しています。

植物園の西端、本園との連絡橋傍にぼたん園があります。春になると、約40種200株のボタンが色鮮やかな大輪の花を咲かせます。重なり合う花弁の様子はいかにも古来から絵に描かれてきた豪華さそのものです。
6月になると園内では約8,000株のあじさいが咲きます。手まり状のあじさいを中心に青やピンクの花々が一雨ごとに色を増し、梅雨の風情を引き立てます。
平成18年度と19年度には神戸女子大学の学生さん中心で結成された「コベリーヌクラブ」との協働により、「深山八重紫」など4,000株を植樹し、倍増しました。
植物園の前所有者である、岡崎財閥から引継いだ建物です。茶会・句会やグループの会合等にご利用いただける有料の貸室です。展示会やお茶会などのイベント会場として一般開放する時もあります。
和室の南側に広がる日本庭園です。
四季折々の花木とともに、青々とした芝生と松の調和が魅力です。特に秋は、モミジの紅葉スポットとして人気があります。

約150mのもみじ道はモミジの並木道になっており、秋には錦に染まる紅葉のトンネルになります。6月にはアジサイの道としても人気があります。
本園と植物園に1ヶ所ずつある駐車場は有料となっています。(本園272台、植物園22台)
※植物園駐車場は予約なしになりました。
須磨離宮公園の前身は皇室の別荘「武庫離宮」で、天皇陛下のご宿泊を主目的に大正3年(1914年)に造営され、昭和20年(1945年)の神戸空襲で御殿などの主要建物が焼失するまでの約30年間、大正天皇や貞明皇后、昭和天皇(当時皇太子)、「ラストエンペラー」として知られる溥儀皇帝(当時満州国皇帝)がご利用されました。離宮の造営には国宝の迎賓館赤坂離宮(旧:東宮御所)などの建築を手がけた片山東熊や新宿御苑の庭園設計を行った福羽逸人など当時最高レベルの技術者らが携わっており、宮内省(現:宮内庁)が西本願寺の門主・大谷光瑞の月見山別邸と隣接する土地を買収して大規模に造成が行われた国家事業でした。
戦後、進駐軍の射撃訓練場に接収されたのち、昭和31年(1956年)に神戸市に返還されました。昭和33年(1958年)に当時皇太子であった上皇陛下のご成婚記念事業として整備がはじまり、昭和42年(1967年)に正式開園しました。

下図は公園の図面に武庫離宮を重ねたものです。
正門から噴水広場の西や南を中心に、武庫離宮の遺構が残っています。
①正門


②馬車道


③装石(ロカイユ)

④中門

⑤潮見台


⑥傘亭と石灯篭


⑦天皇の池


