開園情報

開園時間
9時~17時(子供の森は10時~16時)(入園は16時半まで) 5/11~6/2までの土日は18時まで開園
休園日
木曜日(祝日の場合は開園) 5/2は休園日、5/3~6/2までは無休
TEL
078-732-6688
駐車場
空いています※休園日は利用不可
子供の森
利用可能※休園日は利用不可
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エピソード 4:「離宮のバラ~離宮バラ今昔ものがたり」

エピソード3

 

須磨離宮公園にバラが最初に植えられたのは、公園開園当初のことで、公園の中央に流れるカナール(キャナル)が完成して噴水が作られ、周囲に広い芝生が植えられた時に遡ります。当時の園長で大学の同期生だった米田一郎氏から、「園内にバラを植え込みたい」という相談を受けて、私が薦めたフロリバンダ系*1の‘チャールストン’*2が噴水広場の一部に植え込まれたと記憶しています。

以前にお話ししたように、須磨離宮公園で最初のバラ園は、昭和55年に中門広場に造成され、ここから、私と神戸のバラとの関わりが本格的に始まることになります。

さて、開園当初にバラを植え込んで以来、長らくそのままであった噴水広場ですが、平成10年に当時の園長津川一興氏から「思い切ってバラ園として改良したい」と相談を受けました。それは公園ゆかりの地名である月見山*3から、特に「月にちなんだ名前のバラを植えたい」という提案でしたが、品種を調べてみると黄色や薄紫、クリーム色しかありません。これではバラ園としては寂しいため、かつての武庫離宮にちなみ世界の王家にちなんだ名前やエンブレム、有名人の名前のついたバラを使うことになったのです。

この王家にちなんだバラは、選抜してみると系統が広く、モダンローズだけではなくオールドローズにも多くありました。例えば、半ツル性の‘シャポー・ドゥ・ナポレオン’をはじめ、異なる樹形が多々あって、植え込みに苦労されたと思います。このようにして、噴水広場は平成12年に「王侯貴族のバラ園」*4として新たに整備、改良されたのです。その完成した翌年に、私からお願いをして、今は亡き柳生真吾氏(園芸家)や須磨佳津江氏(フリーアナウンサー)が出演されていたNHK教育(現在・Eテレ)の「趣味の園芸」*5で、一緒に紹介させてもらった思い出があります(平成13年11月放送)。

その後、平成16年には南大噴水の南に、ここを通して海が見えるように考えられたツルバラの花壇「ガーランド」*6ができました。これを機に、「王侯貴族のバラ園」は欧風噴水庭園として、大阪湾を背景とした眺望景観を擁する『関西屈指のバラ園』と呼ばれるようになりました。また、公園最初のバラ園である中門広場のバラ園は、世界の原種を集め、バラ改良の歴史を辿る「バラの歴史と文化園」(平成18年)*7として再整備され、さらに、世界バラ会連合が3年ごとに開催する世界バラ会議で選出される、殿堂入りをしたバラを集めた「世界殿堂入りバラ園」(平成25年)*8も完成しています。このように、現在三つのバラ園として、それぞれ趣の異なる特徴を持った構成で楽しめる内容になっています。

最後になりますが、約半世紀にわたり、バラと神戸に関わってきた私から、開園50周年を迎えた須磨離宮公園に今後のバラ園づくりに向けた提案をしたいと思います。

現在、「王侯貴族のバラ園」の一部ではバラの更新*9が行われていると聞いています。そこで、バラをただ見せるだけではなく、手に触れて香りを楽しめ、家庭で栽培するための参考となるような系統や品種を選んで、より身近にバラを感じる構成を考えていってはどうでしょうか。

須磨離宮公園のバラ園がどのような展開になるか、これからも関わりながらも楽しみに期待して、この一連のお話を終わりにしたいと思います。

 

注釈)

*1 モダンローズ(四季咲き性)の房咲きの系統です。

*2 作出者メイアン、作出国フランス、作出年1963年。花は黄と赤の覆輪。現在、須磨離宮公園には植えられていません。

*3 平安時代に須磨を訪れた在原行平が、この地で秋の月を楽しんだ故事から「月見山」と

呼ばれるようになったといわれています。

*4 完成当時には54種1400株が植栽されました。世界の王侯、貴族などの他にバラの花こ

とばである「愛」にちなむ名前のバラも選ばれています。現在は約180種4000株のバラ

が植栽され、そのうち約70種が世界の王侯、貴族や著名人の名前にちなんだバラです。

*5 藤岡氏も講師として出演されていました。偶然にも「趣味の園芸」は今年放送50周年

を迎えるそうです。

*6 ロープや鎖などにツルなどを誘引して飾る花綱のこと。ほとんどが春の一季咲きのツル

バラを植栽している「ガーランド」は、春には人気の撮影スポットになっています。

*7 財団法人淡路花博記念事業協会(現在・一般財団法人淡路島くにうみ協会)の花木によ

る花の名所づくり事業の助成を受けて、約40種80株で整備。現在は約60種120株植

栽しています。

*8 今までに選ばれた殿堂入りのバラ16種のうち15種は「世界殿堂入りバラ園」に、残り

1種は「王侯貴族のバラ園」に植栽しています。

*9 バラの観賞寿命は約15年と言われており、整備後15年以上を経過する離宮公園では

バラの更新を順次行っていく予定です。

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