あじさいの系統と分布

「あじさい」とは

花の構造による形態学的分類体系である「新エングラー体系」では、「あじさい」はユキノシタ科に分類されていました。
現在でも市販の植物図鑑などではこの体系を採用していることが多いようです。近年になりDNA解析の技術が発達し、遺伝子の構造をもとにした「APG植物分類体系」といわれる分類体系が提唱されるようになりました。この分類体系は生物の進化による分化の様子を比較的よく表していると考えられています。この「APG植物分類体系」では、「アジサイ科」がユキノシタ科から独立して設けられました。

分布の面から

あじさいはとても変異種の多い植物です。 変異種が発生しやすいことが園芸種を生み出しやすい要因といえます。日本産の変異品種や園芸品種はおもにエゾアジサイ、ヤマアジサイ、ガクアジサイの3種が母種となることが多く、その3種の分布・性質を把握することが日本のあじさいの理解につながります。