あじさいの栽培方法

あじさいは品種が多く、そのそれぞれに性質が違っています。各々の産地を知ることが、より適切な栽培のために重要です。
素直な花色に仕上げるには、肥料の選択が大切です。多肥は禁物です。

枝の整理をしようとする場合(株の大きさを縮める等)は、花期のあと速やかに剪定する必要があります。翌年に開花する花芽は秋ごろには分化を始めるからです。
(アナベルなど例外もありますから、よく調べましょう。)

日がよく当たるところの方が花つきがよくなりますが、西日や強い直射日光が長く当たるところは避けましょう。乾燥しすぎたり葉焼けを起こしたりします。

天然の肥料が理想的ですが、臭いが少々困ります。化学肥料を花色によって選択するのがよいようです。白花・赤花系統は特に種類を選ばず肥料の説明書とおりに、青花系統は窒素・リン酸・カリが等量の緩効性肥料を少量ずつ使います。

時期は、一般的な花後の「お礼肥」、翌年の芽出しをよくするための「寒肥」をしましょう。

排水のよい状態にします。お庭など地植えの場合は、盛り土・畝など高植えできると排水がよくなります。

酸性度が花色に影響します。白花・赤花系統は赤玉土を主にして腐葉土を混ぜる、青花系統は鹿沼土を主にしてピートモスを混ぜるのがよいようです。

灌水は重要な作業です。水切れしないように。つぼみが見えてきたら朝は充分に、夕方は葉に水をやる程度、花期が近づいたら朝夕とも充分に水を与えます。

あじさいは比較的挿し木がしやすい木です。花後の剪定ででた枝で大丈夫です。植木鉢に、鹿沼土・赤玉土を入れます。底には粗めの土を入れ排水をよくします。枝を斜めに挿すと株元のよい樹形になります。節の部分から発根することが多いので、この部分が少し土の中に入るように挿します。

花後に挿し木した場合、20日ほどで発根します。葉からの蒸散量を抑えるため半分ほど葉先を切り取ります。

一般的な害虫としてアブラムシ・ハダニ・カイガラムシ、病気としてすす病・うどんこ病・炭そ病などが見られます。害虫には、補殺するか可能であれば殺虫剤を使用します。病気が発生したら、その部分を切り取り焼却します。風通しのよいことが予防につながりますので、株や鉢の間を十分に取りましょう。

キクイムシやコウモリガなどは、幹や枝に小さな穴をあけて侵入し枝の髄を食害します。葉が急激に萎え、侵入した株元に小さな木屑が認められたりします。他の枝に移らないように、枝を切り取り焼却し、株元をきれいにしておきましょう。

少し変わった病気に緑花病があります。最初は緑色の花の新種かといわれたのですが、詳しい調査でファイトプラズマ(Phytoplasma)という微生物の感染によるものとわかりました。放置すると枯死し他の株に伝染しますので、株ごと焼却するしかないようです。