ウメと早春の鳥
2017.03.16 更新
「ウメにウグイス」といえば取り合わせのよいことの例えに使われます。ただ実際にはウグイスがウメにやってくることはほぼなく,メジロとの取り違えといわれます。
そのウメですが,天津の森南側斜面で開花が進んでいます。(写真1)そしてウグイスやメジロではありませんが,香りのに誘われたのか,またはなにか餌があるのかは分かりませんが,様々な冬鳥がやってきます。今日はウメと鳥の両方をご紹介します。
一番よく見かけるのはやはり冬鳥の定番,ジョウビタキです。(写真2)「ヒッヒッ」という特有の声,そして尾羽を縦に振るしぐさがかわいい鳥です。比較的早い時期から姿を見せていましたが,いつまで滞在してくれるのでしょうか。北に帰る日も近いのかもしれません。
「冬の青い鳥」ルリビタキもウメの木にやってきました。(写真3)色合いは違いますが,ジョウビタキとは同じヒタキ科であり,声や尾羽を振るしぐさがよく似ています。
冠毛や喉の黄色がおしゃれなミヤマホオジロも同時に見られました。(写真4)近縁のホオジロやカシラダカもこの辺りで見られます。ミヤマ(深山)の名前からは深い山奥に生息するようなイメージを受けますが,実際には山地だけでなく平地でも見られます。このミヤマは遠隔地を指すようで,日本で繁殖が確認されていなかったことに由来するとのことです。
この天津の森南側斜面では,この他にもシロハラやツグミそしてトラツグミなどのツグミ類が,落ち葉をかき分け採餌する姿も見られます。
ウメは多彩な種が植栽されていますが,まだつぼみを持ったものも多く見られ(写真5)しばらくはお楽しみいただけそうです。さらにシダレウメはこれからが見頃です。(写真6)野鳥とウメの両方が見られる天津の森では,ロウバイの甘い香り,早春の花シナマンサクもお楽しみいただけます。もう少しすればモモやハナモモも春を彩ってくれるはずです。