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花・緑情報

フクジュソウ

2017.02.20 更新






 日替わりで天気が変わり,今日は暖かな雨模様の一日です。ロックガーデンではフクジュソウが本格的に咲き出してきました。(写真1)

 フクジュソウはキンポウゲ科フクジュソウ属の多年草で,シベリア東部・中国,朝鮮半島そして日本に分布しています。日本では北海道から九州の山林に自生します。

 花弁は20〜30枚あり,艶やかな黄色が太陽の光に映えて黄金色に輝きます。(写真2=天気がよい日の撮影)お椀型に咲くこの花はパラボラアンテナのような働きがあり,光を中央に集めることで保温しています。さらに太陽の動きに合わせて花の向きを変え,より保温力を高めています。

 花と同時に葉も展開しますが,この葉はニンジンの葉によく似ています。(写真3)花が終わったあとも葉は広がり野菜のようになります。そして夏前には枯れて,次の12〜1月に芽を出すまでの間,長い休眠期に入ります。

 新春を寿ぐという縁起のよい名前(福寿草)と美しい花を持っていますが,根と茎は有毒で,芽を出したばかりのフキノトウと似ていることもあり,間違えて食べて中毒を起こした例もあるようです。

 フクジュソウはロックガーデン入口の斜面地でご覧いただけます。まだ花や葉を展開し始めたばかりの芽もありますので,(写真4・5)しばらくはお楽しみいただけるはずです。ただこの時期の花は光や温度に敏感で,陽が遮られると花を閉じてしまうことがあります。ぜひ春らしい日を選んで花をお楽しみください。