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花・緑情報

秋の桜〜ジュウガツザクラ〜

2016.10.24 更新






 この土・日は曇りがちで時折雨も落ちてきましたが,今日は雲一つない秋晴れとなりました。この青空によく映えているピンクの花がジュウガツザクラです。(写真1)

 秋桜と書くとコスモスのことですが,今日ご紹介するのは秋咲きの桜ジュウガツザクラです。

 ジュウガツザクラはバラ科サクラ属の落葉小高木です。サクラといえば日本の春を代表する花の一つですが,冬桜と呼ばれるものもあり,このジュウガツザクラも広い意味ではその一つです。

 八重の花は薄いピンク色で,花弁は10〜20枚あり春に咲くサクラよりやや小さめです。オシベは多数あり,1本のメシベがつき出しています。(写真2・3)この花を断続的に冬までつけていき,今は可愛らしいつぼみもつけています。(写真4)なおこのサクラは春(4月)にもまた花を咲かせます。

 この種はサクラの原種の一つであるエドヒガンとマメザクラの交雑種コヒガンザクラの園芸種で,江戸時代後期から広く栽培されてきたようです。

 冬桜と呼ばれるサクラの中で,フユザクラの名前を持つのはマメザクラの栽培種です。ほかにもこのジュウガツザクラとシナミザクラ(支那実桜)の雑種と考えられているコブクザクラ(子福桜)も同時期に花をつけるサクラです。

 ジュウガツザクラはさくら園と多目的広場でご覧いただけます。ちょうど見頃となっているモミジバフウの紅葉と合わせて二つの違った風情をお楽しみください。