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花・緑情報

秋の実り3〜コムラサキ・シロシキブ〜

2016.10.16 更新






 天気予報では下り坂とされていますが,今のところ(AM!11:00)は秋晴れの行楽日和です。

 今日は移りゆく季節の中,実りの時を迎えている木々をご紹介します。(写真1)

 その一つが初夏に可愛らしい花を咲かせていたコムラサキです。(写真2=7/5撮影)今は鮮やかな紫色の実をつけています。(写真3)

 コムラサキは世界的な文学作品として知られる源氏物語の作者,紫式部の名前を冠した植物であるムラサキシキブの近縁種です。シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木で,丈は低いのですが,びっしりと実をつけるため庭木としてよく利用されています。通常ムラサキシキブとして販売されている中にもこのコムラサキが多く含まれているようです。ムラサキシキブも同様に美しい実をつけますが,つき方がまばらなため,実の観賞用としてはコムラサキの方が珍重されています。

 コムラサキと同じ時期に白い花を咲かせていたシロシキブ(写真4=7/5撮影)もコムラサキ同様に枝の脇に実をつけています。これは花同様に白い実で,磁器のような輝きをもっています。(写真5)

 コムラサキ(小紫),シロシキブ(白式部)ともにいうまでもなく紫式部にちなむ名前です。元になるムラサキシキブの名は実の色から連想してつけられたという説もありますが,紫の実が敷き詰められたようにつく「紫敷き実」または「紫茂実」からきたという説もあり,いずれが由来かは定かではありません。

 コムラサキは薬樹園その他,シロシキブは多目的広場外周路でご覧いただけます。美しい秋の実りをお楽しみください。