ユキワリイチゲ
2017.03.06 更新
今晩からまた寒の戻りが予想されていますが,ここ数日は暖かな日が続きました。そのおかげで,気温に敏感な春の花も開花が進んでいます。白く華やいだ色のユキワリイチゲも早い春の到来を告げています。(写真1)
ユキワリイチゲはキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草で,山麓の林縁や丘陵地帯などで生育します。日本固有種であり,本州の近畿以西・四国・九州に分布しています。
秋の終わり頃に新しい葉を出し,その状態で越冬します。太い根茎が地下に横たわり,這って広がりながら仲間を増やしていくため群生します。(写真2)
その葉は3裂し,紫色を帯びた濃い緑色で斑があります。(写真3)さらに花茎にも3枚が輪生する茎葉がついています。(写真4)
花弁のように見えるものはガク片が変化したもので,資料によって差はありますが,だいたい12枚前後が多いようです。本園で見られるものは白色ですが,薄い紫や紫のものもあるようです。(写真5)
ユキワリイチゲ(雪割一華)の名前からは,降りしきる雪の中,雪をかき分けて咲く花というイメージを受けます。ただ実際には天気が悪いと開かないデリケートな花です。(写真6=本日)開花している写真は,暖かく日差しもあった一昨日午後のもので,今日のようにある程度気温があっても天気が悪いと十分に開きません。また夕方には花を閉じて,翌日陽が高くなり気温が上がるまではそのままです。ユキワリの名前は「早春の花」というような意味のようです。またイチゲは一つの茎に一つの花をつけることを意味しています。
ユキワリイチゲはロックガーデンでご覧いただけます。ただ前述のようにその開花は天候・気温に左右されますので,天気のよい暖かな日を選んでご鑑賞ください。