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花・緑情報

冬のバードウオッチング13〜シロハラ〜

2017.02.24 更新







 春日(はるび)からまた一転の冬日といなりました。まさに日替わりの天候です。今日はそんな寒い日でも枯れ葉の間をピョンピョンと跳ねて,枯れ葉をかき分ける鳥シロハラをご紹介します。

 静かな森で時折カサッ・コソッという音が聞こえてくることがあります。音の方を見るとほとんどの場合,灰褐色の鳥が枯れ葉をクチバシでかき分けています。(写真1)これがシロハラです。

 ツグミ科ツグミ属の渡り鳥で,中国東北部からロシアの沿海州にかけて繁殖し,日本や朝鮮半島そして中国などで越冬します。日本では冬鳥とされ,本州以南の積雪のない低地で主に見られます。一部は日本でも繁殖しているようです。

 体長は25cmほどとヒヨドリよりも少し小さいぐらいで,灰褐色と茶褐色が混じった体色です。腹部が白っぽく,これが名前の由来(白腹)となっています。(写真2)中には腹部がオレンジ色のものも見られますが,これはアカハラ(赤腹)という別種です。(写真3=2016/4/22撮影)ただアカハラは春先に見掛けることが多く,この近辺では冬鳥というより旅鳥(移動の途中で立ち寄る鳥)なのかもしれません。

 食性は雑食で,先に挙げた枯れ葉をかき分けるしぐさも小動物を捕食するためと思われます。実際地面からミミズを引っ張り出そうとする姿も見られました。(写真4)時期によっては樹上で木の実をついばむ姿も見られます。沖縄ではタニシの仲間も捕食するようです。

 雌雄は同色とされ,はっきりとした区別はつけにくいのですが,メスの方が顔や腹部が白っぽく目の上に薄い眉斑があるとされています。その視点でいくつかの個体を比べてみると,雌雄の違いがあるようです。(写真5メス 6オスと思われる個体)

 シロハラが落ち葉をかき分けている時は,餌探しに夢中なのか近寄ってもあまり逃げません。その機会にユーモラスな姿をじっくりとご観察ください。