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花・緑情報

セツブンソウ

2017.02.16 更新






 今日は日差しが春を感じさせる一日です。森林植物園でも,久しぶりに10℃近くまで気温が上がりました。(午後1時頃)

 そして節分のころ,一輪しか咲いていなかったセツブンソウが咲きそろってきました。(写真1・2)

 セツブンソウはキンポウゲ科セツブンソウ属のい多年草で日本特産種です。関東以西に分布し,石灰岩地域に多く見られますが,乱獲などによりその数は減っています。

 地面から花茎を伸ばし,細かく切れ込んだ葉を開き,その先端に白い花をつけます。(写真3)

 白く可憐な花が早春を感じさせますが,花びらに見える部分はガク片で,本来の花びらは退化して蜜腺になっています。円になっている黄色い部分がそうです。その内側にある鮮やかな紫はオシベの葯です。(写真4)

 この植物が地上に顔を見せるのはせいぜい2〜3か月程度で,晩春になると花茎は枯れてしまいます。そして地下の根茎の状態で,秋まで休眠します。

 セツブンソウの名前は,いうまでもなく節分の頃に花を咲かせることに由来していますが,その学名であるEranthis pinnatifidaのEranthisは春の花という意味で,まさに早い春を告げる花です。

 咲きそろったとはいうものの,落ち葉の間から顔を出したばかりの芽も見られ,(写真5)今しばらくはその可愛らしい姿をお楽しみいただけるはずです。セツブンソウはル・ピック裏のロックガーデンでご覧いただけます。