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花・緑情報

冬のバードウオッチング9〜ルリビタキ〜

2017.02.10 更新







 春分は過ぎましたが,寒波の影響でここしばらく寒い日が続いています。この週末日本海側では大雪警報が発表されており,神戸市内でも積雪の恐れがあります。まだまだ「春は名のみ」です。

 今日は本園で冬越しをしている野鳥の中から,「冬の青い鳥」ルリビタキをご紹介します。(写真1)

 ルリビタキはヒタキ科に分類される,体長14cmほどとスズメぐらいの大きさです。春から夏にかけて,国内では北海道から本州,四国にかけての標高1500m以上の山地で繁殖し,越冬のため六甲山系にやってくる渡り鳥です。

 夏のオオルリと並ぶ青い鳥ですが,深い海のようなオオルリの色(写真2=2016/5/17撮影)に対して,ルリビタキの青は空のような明るい青色です。そして目の上には白い毛があり,眉毛のように見えます。(写真3)

 青い鳥ではありますが全身が青いのはオスです。メスは背中の色がオリーブ色で,オスに比べるとやや地味です。(写真4)ただ尾の青い色と側面のオレンジ色は共通しており,(写真5)その美しいコントラストがこの鳥を特徴づけています。

 食性は雑食で繁殖地では昆虫類なども食べるようですが,本園ではもっぱら木の実などを採餌しています。時折薬樹園のゴシュユ,香りの道のヌルデなどを食べる様子が見られます。(写真6)

 明るい林よりも暗い林を好み,本園では薬樹園や香りの道そして花木園などでその姿が見られます。単独で行動し,群れをつくらないためオスメス同時に見掛けることはありません。

 チルチル・ミチルの兄妹が探した「幸せの青い鳥」は身近な所にいましたが,この青い鳥は本園にお越しいただければ出会えるかもしれません。まだまだ寒さ厳しき折,美しい青い鳥をご覧いただき,ひと時の幸せ気分を味わっていただければと思います。