トップ / 花・緑情報 > 森林植物園のいま(バックナンバー) /

花・緑情報

ロウバイ雪化粧

2017.02.09 更新






 朝方市街地では弱い雨が降っていましたが,少し北に向かうと雪にかわり,森林植物園では一面の雪景色となっています。1000m近い背山の山並みを持つ神戸の多様な気候を象徴するような天気です。今日はこの雪で化粧をした満開のロウバイをご紹介します。(写真1)

 ロウバイはロウバイ科ロウバイ属の落葉低木で,中国を原産地とし,日本には江戸時代初期に渡来しました。

 古くは唐梅と呼ばれており,漢名も蝋梅ですが,バラ科植物であるウメの仲間ではありません。この梅はウメ同様に早い春に花を咲かせることに由来するようです。英語名Winter sweet「冬の甘い香り」の通り,上品な香りを持ち,満開の花木園(うさぎのくに横)は芳香に包まれています。(写真2)

 ロウバイの花は花被片をたくさん持っていますが,外側の花被片が黄色,内側の内花被片は暗赤色です。(写真3)その内花被片も黄色の種類があり,ソシンロウバイと呼ばれています。(写真4・5)この種はロウバイの園芸品種であり,その名前は中国で花弁・花心まで同じ色の花を素心(そしん)と呼ぶことに由来しています。なおロウバイ(蝋梅)の名前は漢名を日本語読みしたものですが,ロウは花の質感がロウ細工を思わせることからきているようです。

 今週末にはさらに多くの積雪が予想されています。ノーマルタイヤの車でのご来園は難しくなるかもしれませんが,公共交通機関をご利用いただき(本園のシャトルバスは雪でも運行しております)雪化粧したロウバイとその香りをお楽しみください。