木々の冬芽・葉痕6〜ハナズオウ〜
2017.02.07 更新
今日はまた寒波がやってきたようで雪のちらつく一日です。園内はまた雪景色になりました。こんな日は上着を着た冬芽をご紹介します。今日は春,天津の森を華やかに彩るハナズオウの冬芽です。(写真1)
ハナズオウは中国を原産地とするマメ科ハナズオウ属の落葉低木で,花が美しいために庭木などとして利用されます。
一見すると松ぼっくりのようにも見えるこの盛り上がった芽は花芽で,多数のつぼみが頭状に集まっています。この芽が幹に直接そしてあちらこちらについています。(写真2)
4月頃この冬芽から濃いピンクの花が出て,枝いっぱいに咲きます。この花は花柄がなく,枝に直接ついています。(写真3=2016/4/17撮影)そして一つ一つの花は,マメ科植物に典型的な蝶形花です。(写真4)
花が終わると豆果をつけますが,花同様枝いっぱいにつき,冬場まで残ります。(写真5=2017/12/7撮影)
ハナズオウ(花蘇芳)の名前は,花がたくさんつき,その花弁の色がスオウで染めた色に似ていることに由来しています。染料の蘇芳が採れるスオウは同じマメ科植物ではありますが,ハナズオウとは近縁ではありません。
前述のようにハナズオウは天津の森でご覧いただけます。ただ花が咲いている時は分かりやすいですが,冬芽はそれほど目立つものではありませんので,園路沿いを注意深くお探しください。