木々の冬芽・葉痕5〜オオカメノキ〜
2017.02.06 更新
終日雨模様だった昨日から一転して青空が広がっています。この天気も夕方にはまた雨になるようです。天気が変わりやすいのも季節の変わり目のせいかもしれません。そろそろ春への始動の頃であり,すでに動きはじめた木もありますが,まだ多くの木は冬の衣装をまとっています。今日はその中からオオカメノキの冬芽をご紹介します。(写真1)
オオカメノキはレンプクソウ科ガマズミ属の落葉小高木で,サハリン・千島列島から九州そして朝鮮半島にかけて分布します。
その冬芽はバンザイをしているような可愛らしい形ですが,その手は葉になる葉芽で頭が花芽です。その花芽はちょっとゴツゴツしていて頭が尖った愉快な顔に見えます。(写真2)そして葉芽は葉脈が見えています。つまり芽鱗を持たない裸芽です。けれどもこの芽は褐色の小さな毛が密集しており,花や葉の赤ちゃんを冬の寒さから守っています。
この芽は4月になる頃,花と葉をほぼ同時に展開し始めます。(写真3=2016/4/1撮影)そして周囲に装飾花を配置した白い花を,枝一杯につけます。(写真4=2016/4/21撮影)
オオカメノキの名前は,その葉が亀の甲羅のように見えることに由来しています。(写真5)別名のムシカリで呼ばれることも多いようですが,その名前は虫が好むことから「虫食われ」そして虫狩(むしかり)に転訛したといわれています。
オオカメノキはしゃくなげ園からつつじ園に上がる階段付近でご覧いただけます。ユニークな顔探しで早春のひと時をお楽しみください。