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花・緑情報

冬のバードウオッチング8〜水辺の鳥〜

2017.02.05 更新









 今日は雨の朝となりました。朝方はこの時期としては強めの雨で,野鳥の動きも少ない中長谷池のカルガモが元気に泳ぎ回っていました。(写真1)

 今日は長谷池にやってくる水鳥や水辺の鳥をご紹介します。

 冬場に長谷池で一番普通に見られるのがカルガモです。カモ科マガモ属に分類され,その亜種も含めて東アジアに広く分布しています。日本では本州以南に周年生息する留鳥ですが,長谷池での観察がほぼ冬場なのは,餌の関係か積雪地からの移動なのかもしれません。

 食性は昆虫や魚なども食べる雑食性ですが,植物食傾向が強いようで,水が減った池で顔を水に入れて水草を食べる姿が見られます。(写真2)

 この種は目の周囲の黒い隈取とクチバシの先の黄色が特徴的ですが,(写真3)体色で雌雄を判別することはなかなか難しいものがあります。ただ胸の部分がやや白っぽいのがオスで黒っぽいのがメスといわれますので,写真4が雌雄ならば,左がオスで右がメスと考えられます。

 カルガモは漢字では軽鴨で,「軽」は「軽の池」に由来するというのが一説です。この池の名前は天武天皇の皇女である紀皇女の歌に詠まれており,奈良県橿原市にあったといわれています。なおカモの語源は「浮かぶ鳥」「浮かむ鳥」が訛ってカモドリとなり,それがカモになったともいわれています。

 カルガモが雌雄判別しにくいのに対し,はっきり雌雄の色が違うのがマガモです。(写真5)

 カルガモと同属ですが,シベリアなど北方で繁殖し,冬鳥として北海道から南西諸島まで全国的に飛来します。北海道や中部山岳地帯では少数が繁殖することもあるようです。

 緑の首とその付け根の白い首輪が印象的ですが,(写真6)これはオスで,メスは全く違う鳥のような茶色っぽい色です。(写真7)

 六甲山系では布引貯水池などに飛来しますが,本園の南西5kmほどに位置する石井ダムにも飛来するようです。

 なおカルガモはたいてい10羽以上がやってきますが,マガモは1組だけそれも毎日やってくるとは限りません。

 長谷池では他にアオサギやカワウが見られることがあります。また2年前にはカイツブリがやってきました。(写真8=2015/3/21撮影)さらに水辺の珠玉カワセミも晩秋から冬にかけて姿を見せます。この種につきましては改めてご紹介します。