トップ / 花・緑情報 > 森林植物園のいま(バックナンバー) /

花・緑情報

シナマンサク開花

2017.01.30 更新






 朝からの雨で園内はすっぽりと深い霧に包まれています。それでも気温は7〜8℃と,寒の内のこの時期にしては温かい雨です。その雨に誘われたかのように,早春を先駆けるシナマンサクの花が咲き始めました。(写真1)

 シナマンサクは中国中部を原産地とする,マンサク科マンサク属の落葉小高木です。マンサクは他の樹木に先駆けて「まず咲く」ことが名前の由来といわれるように,早い春を代表する花木です。(たくさん花をつけるため,豊年満作への願いを込めてつけられたという説もあります)そしてそのマンサクの仲間でもこのシナマンサクがいち早く花を咲かせます。(写真2)

 花芽は薄茶色でころころとした形です。この芽が釣り下がるように枝についていて,(写真3)ここからリボンがほどけるようにして花弁が出てきます。(写真4)この花は基部が赤く,4枚の花弁とガク片を持ちオシベも4本です。

 花の形や咲き方は日本の山野に自生するマンサク(写真5=2016/3/4撮影)とよく似ていますが,シナマンサクの方がやや花が大きい点,そして黄色みと香りが強いという点が違っています。また枯れ葉を少し残しているのもシナマンサクの特徴です。

 マンサクの花が山野に春を告げる日はもう少し先になります。それでも咲き出したシナマンサクや甘い香りのロウバイが春への歩みを感じさせてくれます。心華やぐ春そして生命が躍動する春がもうそこまで来ています。

 シナマンサクは天津の森の園路沿いでご覧いただけます。春への一歩をお楽しみください。