クリスマスツリー
2016.12.23 更新
明日はクリスマスイブ。冬休みに入った子どもたちも楽しみにしていることと思います。それ以上に待っていたのは,早くから登場していたサンタさんです。なんとなく嬉しそうにも見えます。(写真1)さて,当ページでは先にクリスマス飾りに使われるシナヒイラギの葉と実をご紹介しましたが,今日はそれを飾りつけるツリーをご紹介します。
ツリーといえばモミの木が連想されますが,日本でよく利用されるのがウラジロモミです。本園ではさくら園の一画でご覧いただけます。(写真2)
日本の特産種でマツ科モミ属の常緑針葉樹です。モミよりも寒冷な気候を好み,福島県から四国までの落葉広葉樹林帯から亜高山地帯下部に分布します。標高1000m辺りでモミとウラジロモミが入れ替わるそうです。
葉の裏面に見られる気孔帯が特徴的で,そのため葉の裏が白く(写真3)ウラジロ(裏白)モミの名前の由来になっています。この気孔帯はモミにも見られますが,(写真4)ウラジロモミの方がより顕著です。
モミの語源は諸説ありますが,一番巷間でいわれるのが,一か所に多くあり風に吹かれて揉みあうところの「揉む」からきたとする説です。
クリスマスの本場ヨーロッパでツリーとして多く利用されているのがヨーロッパトウヒです。本園では長谷池から青葉トンネルに向かう分岐点辺りの斜面に群生しています。(写真5)
ツリーとしてよく利用されるのは,もちろん円錐形の美しい樹形にもよりますが,浅根性で移植しやすく,成長が早いため苗木が安価で流通しているという理由もあるようです。
別名ドイツトウヒとも呼ばれますが,ドイツでの分布はごく一部で,英語名Norway pruceが示すように主な分布は東・北ヨーロッパです。そのためヨーロッパトウヒの方が実態に合っており,本園でもそのように表記しています。
葉はモミに比べて細く,より針状になっています。(写真6)またこの球果はよく柱時計の錘のモデルになっているので見覚えがある方もおられるかもしれません。(写真7)
ご家庭にツリーを飾っておられる方は,ぜひその成長した姿もご覧になってください。