トップ / 花・緑情報 > 森林植物園のいま(バックナンバー) /

花・緑情報

クリスマスカラー〜シナヒイラギ〜

2016.12.12 更新







 本園の気温計は,今朝この冬最初の氷点下を記録していました。いよいよ冬本番です。

 さて,12月も半ばとなり街はクリスマス気分で賑わっています。本園でもあわてん坊のサンタさんとともに巨大なクリスマスリースがご来園の皆様方をお待ちしています。(写真1)そのリースの中心部を飾る鮮やかな赤い実と緑の葉を持つ植物がシナヒイラギです。(写真2)

 シナヒイラギ別名ヒイラギモチ,ヒイラギモドキは「ヒイラギ」と名付けられていますが,モクセイ科のヒイラギとは近縁ではなく,モチノキ科モチノキ属に分類される常緑樹です。

 「ヒイラギ」の名前はその葉にある堅いトゲがヒイラギを思わせることによるものです。そのトゲが葉の四隅と先端にある姿はムササビが飛んでいるようにも見えます。(写真3)ただ葉の中には先だけにトゲを持つやや丸まった形のものも見られます。

 春には淡い黄色い花を咲かせますが,この花はとてもよい香りを持っています。この種は雌雄異株で,雄花は飛び出したオシベが目立ち,雌花は1本のメシベとともに仮オシベを持っています。(写真4雄花5雌花 5/5撮影)

 そして今はクリスマスに合わせたかのように赤い実と艶のある緑の葉をつけています。(写真6)ヨーロッパではクリスマス飾りにこの近縁種であるヨーロッパヒイラギの実と葉が使われますが,日本ではより艶やかな葉を持つシナヒイラギが使われることが多く,クリスマスホーリーとも呼ばれます。ちなみに赤と緑がクリスマスの色なのは,赤がキリストの流した贖罪の血の色を,緑が永遠の命を象徴しているということだそうです。

 シナヒイラギの実は天津の森と青葉トンネル付近でご覧いただけます。ご散策のひと時に,赤い実と緑の葉でクリスマス気分を味わっていただければと思います。