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花・緑情報

紅葉だより18〜一風変わった黄葉と残り紅葉〜

2016.12.01 更新







 12月師走を迎えました。暦の上ではすでに冬を迎えていましたが,気持ちの上でも本格的な冬です。

 本園の紅葉も終盤を迎えていますが,広い園内ではまだまだ見どころがあります。特に先にご紹介したタカノツメの黄葉が鮮やかです。そのタカノツメに混じって,それより白く林の中に浮かぶように見えるのがコシアブラの黄葉です。(写真1)

 コシアブラはウコギ科ウコギ属の落葉高木で,北海道から九州にかけて分布し,冷温帯林に生育します。同属のタラノキ同様山菜として知られていますが,これは春先に伸びる新芽を食用とします。

 タカノツメと同じような場所に見られますが,その葉は掌状の複葉で5枚の小葉からなり,三出複葉のタカノツメとの区別は容易です。(写真2)

 8〜9月に咲く花は円錐形の花序につく黄緑の花で,それほど目立つものではありません。(写真3=9/5撮影)

 コシアブラは漢字では漉油と書きますが,これはかつてこの樹脂(あぶら)を漉して,漆のように塗料として使っていたことに由来するようです。(別の説もあります)

 これら黄葉だけでなくまだ紅葉もお楽しみいただけます。野鳥の森やもみじ坂でもまだご覧いただけますが,お奨めは多目的広場外周路のイロハモミジです。(写真4〜6)

 多目的広場は広さ3haの芝生広場で,大型の遊具もあり,休日にはご家族連れで賑わっています。この周囲はウォーキングやランニングコースとしてご利用いただいていますが,ユキヤナギやアジサイなど季節の花もお楽しみいただけます。秋にはケヤキの紅葉も目に鮮やかですが,例年他よりも少し遅れてイロハモミジが紅葉します。次の土日にはまだ残っているはずですので,黄葉とともにぜひ残り紅葉もお楽しみください。