紅葉だより17〜まだお楽しみいただける紅葉〜
2016.11.26 更新
天気は下り坂に向かっているようですが,今のところはすばらしい青空が広がっています。その青にタカノツメの黄色がよく映えている長谷池周辺です。(写真1)
11月も終わりに近づき,タカノツメやカラマツの黄色が目立つようになった園内ですが,場所によってははっと目を引くほどの紅葉も見られます。その一つが野鳥の森のオオモミジ(写真2)やイロハモミジです。野鳥の森自体は東門まで続く広大な森ですが,これらのモミジは入口付近にありますので,山道をお歩きいただかなくても見ていただけます。また西門付近やそれに続く園路沿いでも美しいイロハモミジが点在しています。(写真3・4)
紅葉で知られるのはカエデの仲間のほかにウルシの仲間があります。園内でも所々でその紅葉が見られます。その一つがハゼノキです。(写真5)
ハゼノキはウルシ科ウルシ属の落葉小高木で,別名リュウキュウハゼとも呼ばれます。
原産地は東南アジアや東アジアの温暖な地域で,日本には江戸時代に果実から木蝋を採取するために,当時の琉球王国から持ち込まれたようです。今は山地に自生種が見られますが,これは栽培したものが野生化したようです。
ウルシ属植物には他にもヤマハゼやヤマウルシ,ヌルデなどもともと日本に自生するものがあり,特にヌルデは園内でもよく見られます。(写真6)ハゼノキとヤマハゼは細長い葉の形などがよく似ていますが,ヤマハゼは茎や葉柄に毛があることで区別できます。またヌルデとヤマウルシはやや卵形に近い葉の形をしていますが,ヌルデは茎に翼があることで見分けられます。
晩秋の園内にはそろそろ冬の気配が漂ってきています。紅葉や黄葉を愛でることができるのもあとわずかのようです。様々な木々が冬籠りの前にしばし輝く姿をお楽しみください。