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花・緑情報

紅葉だより13〜もみじ坂と野鳥の森〜

2016.11.20 更新








 秋も深まり「晩秋」という言葉が似合う候になってきました。木々は秋の装いから少しずつ冬支度へと歩みを進めています。紅葉前線が北から南へ,高い山から里へと下って行く中,本園の紅葉も少しずつその中心を変えています。そして今見頃となっているのはもみじ坂から野鳥の森です。(写真1)

 もみじ坂はその名前が示す通り,もみじが彩る本園紅葉スポットの一つです。シアトルの森奥と長谷池東端を結ぶ道ですが,まずシアトルの森奥では鮮やかなオオモミジが迎えてくれます。(写真2)

 オオモミジはイロハモミジの変種で,北海道中部以南から九州までに分布する落葉小高木です。イロハモミジと同様に紅葉が美しいため庭園木としてもよく植栽されますが,イロハモミジよりも葉が大きくやや分厚いのが特徴です。

 もみじ坂を下って行くと赤や黄色そして緑など,日当たりや樹種によって様々に違う色合いをお楽しみいただけます。(写真3・4)「坂道や階段はちょっと・・」という方はシアトルの森側から見下ろしてていただくだけでも十分目を楽しませてくれます。

 もみじ坂を長谷池まで下りた辺りが野鳥の森の入口になります。この森は東門と園内を結ぶ道沿いにあり,道を下って行くと六甲登山道のトウェンティクロスに出ます。名前の通り様々な野鳥の声が聞こえ,オスの長い尾が美しい夏鳥,サンコウチョウが営巣していたこともあります。(写真5=2014/6/30撮影)

 今はオオモミジが鮮やかな赤に色づき,イロハモミジとともに美しい眺めを形づくっています。(写真6)また足元に目をやると,赤黄混じりの落ち葉が見られます。(写真7)これも紅葉狩りの楽しみの一つです。この赤い葉はオオモミジで,鮮やかな黄色はウリカエデです。前にご紹介したウリハダカエデとよく似た名前で,ともにウリに似た木肌の色が名前の由来になっています。ただウリハダカエデと比べると,葉も樹高もずっと小さい木です。

 この野鳥の森も階段を下りていく道ですが,鮮やかな紅葉はそれほど下に下りなくてもご覧いただけます。また階段を下りずに,平行する香りの道から見下ろしていただいてもお楽しみいただけます。終盤に近づいてきた紅葉ですが,木々の最後の華やぎをご満喫ください。