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花・緑情報

紅葉だより11〜ドウダンツツジ〜

2016.11.17 更新







 朝は冷え込んでいましたが,日差したっぷりの秋晴れで小春日和の一日です。今が盛りの紅葉が秋の柔らかな光に映えています。

 今年は10月末ごろからの冷え込みが幸いしたのか,とりわけ紅葉の色付きがよく目を楽しませてくれていますが,中でもドウダンツツジの色付きは出色です。(写真1)まっ赤に染まったものはもちろんですが,オレンジや黄色など日当たりによって色が変わっているのも見どころです。(写真2・3)

 ドウダンツツジはツツジ科ドウダンツツジ属の落葉低木で,日本を原産地とし,本州・四国・九州の温暖な岩山などに生育します。ただ自生地は少なく,庭木や植え込みなどとして利用されているものがよく見られます。紅葉スポットでこの樹木を挙げている場所も多くありますが,大体がお寺や庭園のようです。

 紅葉を代表するイロハモミジに負けないほど艶やかな紅葉が見られますが,4月末につけるスズランのような可愛らしい花が枝一杯につく姿も見応えがあります。(写真4=4/22撮影)

 ドウダンは「満天星」と表記しますが,これは満天の星のように花が咲く様子を表した中国名です。ドウダンという名前の由来は「灯台」からきており,トウダイが訛ってドウダンになったようです。この灯台は海を照らす灯台ではなく,灯明台つまり油やロウを燃料とした明かりの台のことで,3本の棒を組み合わせた結び灯台です。これはこの木が枝分かれする様子が結び灯台に似ていることからきています。(写真5)

 この群生はシアトルの森に向かう園路沿いにありますが,一段下がった長谷池に向かうあじさい坂からイロハモミジと一緒に眺めるのも組み合わせの妙があります。(写真6)

 ドウダンツツジはこの場所のほかにも,芝生広場や駐車場,その他園路沿いなど様々な場所でご覧いただけます。場所によって少しずつ違う色合いをお楽しみください。