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花・緑情報

紅葉だより10〜あじさい園の紅葉とアオハダ〜

2016.11.16 更新






 シチダンカやベニガクなどのヤマアジサイを中心とした各種あじさい,また大輪の白いあじさいアナベルなどがあじさい園を彩ったのは初夏,まだ木々が若々しい葉を輝かせていた頃です。それから半年。あじさい園の木々の葉はその役割を終えようとしていて,最後の輝きを見せています。(写真1・2)

 このあじさい園を赤く染めているのは主にイロハモミジとオオモミジですが,柔らかな黄色でそれらを引き立てているのがアオハダです。(写真3)

 アオハダはモチノキ科モチノキ属の落葉高木で,北海道から九州までに分布し,明るい広葉樹林内などに生育します。

 この若葉は茹でておひたしやあえ物にして食用として利用されますが,秋には黄色く葉を染めます。この黄色は,近くで見られるハウチワカエデやオオモミジんど紅葉する木が黄色くなったもの(写真4=オオモミジ)とは違った柔らかく清楚な色合いです。

 この材は白く光沢があり,細工物などに利用されます。東北地方ではこけしの材料などとしても利用されています。その材を取り巻く内皮は葉緑素を含んでいるため緑色をしており,(写真5)薄い樹皮が容易に剥がれてこの部分が見えるます。これがアオハダ(青膚)の名前の由来です。

 あじさい園の紅葉やアオハダの黄葉は,シアトルの森に向かう道からもご覧いただけますが,お時間が許すようでしたら,中にお入りいただき,アオハダの黄葉を見上げながら赤と黄が織りなす秋景色をお楽しみください。