紅葉だより4〜カイノキ〜
2016.10.30 更新
晴れ上がった空の下,早く紅葉した木々が秋の日差しを浴びて輝いています。今日はその中から,昨日ご紹介したナンキンハゼのすぐ近くにあるカイノキをご紹介します。(写真1)
カイノキは中国をはじめとする東アジアを原産地とするウルシ科カイノキ属の落葉高木です。
ウルシ科植物によく見られる羽状複葉をもち,(写真2)これも同科植物の多くがそうであるように美しく紅葉します。
ウルシ科植物というと,ハゼノキやヤマウルシのように触れるとかぶれる(個人差はあります)というイメージがありますが,マンゴーやカシューナッツなど食用として利用されているものも多く,このカイノキもかぶれることはほとんどないようです。
真っ赤な色づきだけでなく,日当たり具合によっては黄色やオレンジになり,そのコントラストもなかなか美しいものです。(写真3)
そして今つけている実も輝くような赤で,紅葉同様に見応えがあります。(写真4・5)なおこの木の花は4月に咲き,色は薄い黄色ですが,そのつぼみは赤く咲き始めも木全体が赤っぽく見えます。(写真6)
カイノキは岡山県の旧閑谷学校のものが知られています。これはカイノキが中国の孔子廟に植えられており,「学問の聖木」と呼ばれているためこの学問所にも植えられたようです。ただこの学問所は江戸時代に建てられましたが,カイノキの日本への渡来は大正時代であり,設立当初からのものではないようです。
カイノキの名前は,直角に枝分かれすることや小葉がきれいに揃っていることから楷書(かいしょ)にちなんで名づけられたといわれています。
モミジバフウが見頃のシアトルの森,そしてナンキンハゼやカイノキが彩る天津の森が今の見どころですが,もうしばらくすれば長谷池のイロハモミジも秋の色に染まってくるはずです。