紅葉だより3〜ナンキンハゼ・シラキ〜
2016.10.29 更新
朝方は少し時雨れましたが,すっかり晴れ上がり,見頃となったモミジバフウの紅葉が秋の陽光に輝いています。(写真1)今日はそのモミジバフウの少し先,天津の森入口付近で色づくナンキンハゼをご紹介します。(写真2)
ナンキンハゼはトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木で中国を原産地としています。乾燥に強く,紅葉が美しいことから公園樹や街路樹としてよく利用されています。この樹木の紅葉は様々な色が混じり合っており(写真3)パステルカラーのモミジバフウウとはまた違った美しさがあります。
今は緑の果実がついていますが,この果皮が割れると白い実がでてきます。実を覆う白い部分は蝋(ろう)で,ウルシの仲間であるハゼノキ同様にロウが採れることから「ハゼ」の名前がつけられています。ちなみにナンキン(南京=中国の都市名)は中国原産であることを表しています。
この実は冬場鳥たちの恰好の食べ物になり,(写真4=1/22 鳥はシジュウカラ)鳥に食べられることで種子が拡散されます。そのため植栽されているもの以外の自生種もよく見られます。
そしてこのナンキンハゼの仲間であるシラキも美しく紅葉しています。(写真5・6)トウダイグサ科シラキ属に分類されますが,ナンキンハゼも以前はシラキ属とされていました。本州から沖縄にかけて分布し,朝鮮半島や中国にも見られます。
紅葉が美しい木ですが,灰白色で滑らかな樹皮や白い材も美しく,シラキ(白木)の名前はその材の色からきています。
つつじ園にあるシラキの周囲の木々はほとんどがまだ緑で,その中にあってシラキの紅葉が浮かび上がるようです。
広い園内では様々な木々の紅葉をご覧いただけます。その日ごとの見所などは展示館事務所でお尋ねください。