晩夏のツツジ〜ホツツジ〜
2016.08.27 更新
ツツジの花というと春のイメージがありますが,夏も終わり近くになって花をつけるツツジがあります。それがホツツジです。(写真1・2)
ホツツジはツツジ科ホツツジ属に属する樹高1〜2mの落葉低木で,一属一種の日本特産種です。北海道南部から本州・四国・九州に分布し,日当たりのよい山地に自生します。
次々と枝分かれした枝先に円錐花序をだし,そこにたくさんの花をつけます。(写真3)この花は比較的短期間で落ちます。
一つ一つの花は花冠が3つに裂けていて,3枚の花弁に見えます。そしてそれは外側に反り返っています。オシベは6本で,長く伸びたメシベがよく目だっています。(写真4)同属ではありませんが近縁のミヤマホツツジもよく似た花をつけます。これはメシベが真っ直ぐではなく弓状に湾曲しています。
互生する葉は枝先に集まってつき,輪生しているように見えます。そしてその中心から花序が伸びています。(写真5)
この可愛らしい花からは想像しにくいのですが,全株に毒を持つ有毒植物です。特に葉には強い毒があり,かつてはこの葉が殺虫剤として利用されていました。またハチミツによる中毒例も報告されています。このハチミツにはホツツジの花粉が混入していたようです。
ホツツジはロックガーデンからつつじ園に向かう途中でご覧いただけます。それほど目立つ花ではありませんので,お見落としのないようご注意ください。