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花・緑情報

シナウリノキ

2016.07.12 更新






 梅雨らしい天気が続いています。梅雨明けはまだ少し先になりそうです。しとしとと降る雨に濡れて少し変わった花が咲いています。それは萩の小径に咲くシナウリノキの花です。(写真1)

 シナウリノキはミズキ科ウリノキ属の落葉高木です。シナ(支那)を冠していますが原産地は中国だけでなく,広く東南アジア諸国やインド・ネパールそしてアフリカにも分布しています。

 葉の腋から散形の花序を出し下向きに花をつけます。特徴ある花は6〜8枚ある白い花弁が強く反り返って丸まっていることで,なんともいえない愛嬌のある姿になっています。かたまってついている黄色い葯の先から少し顔を見せている花柱も,可愛らしさに拍車をかけています。(写真3・4)

 日本に自生するウリノキとは近縁種で花もよく似ていますが,ウリノキが樹高3〜5mの低木であるのに対し,このシナウリノキは10mにも達することがある高木です。

 ウリノキ(瓜の木)と名前がついていますが,瓜がなるわけではなく,この木の実は小さい長楕円形をしています。(写真5)この実は熟すと黒くなります。この名前は葉がキュウリなどのウリ科植物に似ているということが名前の由来のようです。(写真6)ただこのシナウリノキの葉は切れ込みが多いものやないものなど形が様々なため,必ず葉が似ているともいえないようです。

 シナウリノキは多目的広場の外周路から萩園に向かう小径にあります。小さな花ではありますがその愛嬌ある姿を愛でていただければと思います。