あじさい通信2016その9〜まだまだ見頃のあじさい〜
2016.07.06 更新
今週は暑い日が続いています。今日も朝方は曇っていて梅雨らしい天気でしたが,昼前からは真夏の太陽が照りつけています。
雨が好きなあじさいにとっては厳しい天気ですが,本園のあじさいはまだまだ元気で見頃が続いています。今日はそんなあじさいの様子をお伝えします。
今一番の見頃を迎えているのは大輪の白いあじさい「アナベル」です。(写真1)大きな花は雨の後,雨を含んで重くなりうなだれるものもありますが,晴れが続いてみんなシャキンと背筋を伸ばしています。
ヤマアジサイの仲間は盛りを過ぎたものも多く見られますが,ガクアジサイの仲間はそれに代わるように見頃となっています。中でも原種のガクアジサイが鮮やかに花開いています。(写真2)
伊豆半島から房総半島にかけての海岸沿いや伊豆諸島,小笠原諸島の一部に自生するあじさいで,日本列島の特産種です。ヤマアジサイと比べて大きく艶やかな葉を持っているのも一つの特徴です。(写真3 ※左側ヤマアジサイ 右側ガクアジサイ)
青い両性花が美しいあじさいで,この種から多くの品種が生まれています。手まり咲きのホンアジサイ(写真4)はこの種が突然変異を起こしてできたものといわれています。ホンアジサイはシーボルトが「オタクサ」と名付けたことで知られています。
ガクアジサイを原種とするあじさいでは他にも見頃を迎えているものがあります。その一つがウズアジサイです。(写真5)
ウズアジサイは装飾花のガク片が肥厚し,内側に丸まっているのが特徴です。(写真6)この名前は,その様子が渦(うず)を巻いているように見えることに由来しています。この変異は,ウィルスに冒されたものが園芸品種として定着したといわれますが定かではありません。
他にも先にご紹介したミカワチドリ(三河千鳥)やジョウガサキ(城ケ崎)(写真7)などもガクアジサイを原種としており,これらも西洋あじさい園で見頃となっています。
そしてこれらガクアジサイ系のものだけでなく,あじさい坂のヒメアジサイもまだまだ美しい青色を保って皆様方のご来園をお待ちしています。(写真8)
7月に入るとあじさいは終わり・・というイメージをお持ちの方もおられるかもしれませんが,本園のあじさいはまだまだ見頃です。今しばらく「あじさいの季節」をお楽しみください。