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花・緑情報

タイサンボク

2016.06.06 更新





 近畿地方も梅雨入りしました。今日は雨こそ降っていないものの,曇り空が広がっています。そんな今一つの天気ではありますが,華やかに咲き誇る花が白く輝いています。磁器のような白さを持つその花はタイサンボクです。(写真1)

 モクレン科モクレン属の常緑高木で,「泰山木」や「大山木」という漢字の名前を見ると中国を原産地とする樹木のように思えますが,原産は北米で,日本には明治期に渡来しました。

 枝先に丸みのあるカップ状の花をつけますが,直径が25cmにもなるこの花はとても爽やかで上品な香りをもっています。白い花弁状の部分は花弁とがく片が区別しにくい花被片です。(写真2・3)

 メシベとオシベは多数あり,かたまってついています。雌性先熟ですので開花したばかりの花はメシベが開き,扁平なオシベはくっついています。(写真4)

 泰山木の泰山は中国山東省にある霊山で,花の様子をこの山に例えたのが名前の由来とされています。このカップ状の花を盃に見立てて「大盞木」という字が当てられることもあります。(盞=盃のこと)

 タイサンボクはシアトルの森や北アメリカ区,香りの丘その他でご覧いただけます。ぜひその甘い香りも合わせてお楽しみください。