風に揺れる白いハンカチ〜ハンカチノキ〜
2016.04.30 更新
優しい春風に吹かれて白いハンカチがゆらゆら・・といっても本当にハンカチを干してあるわけではなく,ハンカチのように見える花をつけたその名もハンカチノキが見頃となっています。(写真1・2)
ハンカチノキはヌマミズキ科(分類方法によっては別の科とされています)ダビディア属の落葉高木で,中国四川省・雲南省を原産地としています。標高1500mぐらいの高地に自生し,樹高は20m近くになります。
名前の由来となっているハンカチのような白い部分は,苞と呼ばれる葉が変化したもので,花の本体は2枚の苞に守られるようにして中心についている濃い紫の部分です。(写真3)花には花弁はなく,たくさんのオシベが集まってピンポン玉のような形になっています。(写真4)そしてよく見ると1本の緑色のものが飛び出しているのが分かりますが(写真5)これがメシベです。ただオシベだけでメシベがない(雄花序)ものもたくさん見られます。
「2枚の苞に守られるように・・」と前述しましたが,苞の働きは物理的に花を囲むことで雨風から花を守ると同時に,日傘のように日光から花を守る働きもしているようです。研究によると,この苞にはフラボノイドという成分が多く含まれ,それが日光から紫外線を選択的に吸収するとのことです。
花が終わると実をつけますが,。いかにも堅そうな殻に包まれた実です。(写真6)この実は長く木にとどまり,今でも昨年つけた実がぶら下がっています。
この木を紹介したフランス人神父アルマン・ダビットはジャイアントパンダを世界に知らしめた人物として有名で,ハンカチノキも「植物のパンダ」と呼ばれることがあります。
ハンカチノキはしゃくなげ園と天津の森でご覧いただけます。しゃくなげ園の木は見上げるような高木で,鈴なりに花をつけています。また天津の森のものは間近に花を見ていただけます。ぜひどちらもご覧いただきこの珍しい木をいご堪能ください。