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花・緑情報

シャクナゲ開花中

2016.04.29 更新








 今日4月29日は昭和の日でゴールデンウィークの初日でもあります。そして大型連休に合わせたように,多くの花が見頃を迎えています。その一つがシャクナゲです。

 園内に多種見られるシャクナゲの中でも,しゃくなげ園入口で皆様方をお迎えしているのがツクシシャクナゲです。

 ツツジ科ツツジ属に分類される日本固有種のシャクナゲで,本州の中部以西・四国・九州の高地に自生します。特に北九州に多く分布し,群落もあるため,その旧国名をとってツクシ(筑紫)シャクナゲと呼ばれています。

 漏斗状で7裂の淡紅色の花は房状の基部から咲き始め,濃厚色のつぼみとのコントラストが見事です。(写真2)

 そのツクシシャクナゲよりも少し花期が後になるホソバシャクナゲも咲き始めています。(写真3)

 この種も日本の特産種で静岡県の天竜川以西から愛知県東部に分布し,日当たりのよい岩場に生育します。この自生地の旧国名からエンシュウ(遠州=遠江国)シャクナゲの名前で呼ばれることもあります。この種は日本産のシャクナゲの中では最も標高が低い場所に生育します。

 枝先に総状花序をつけ,5〜10個の花をつけます。漏斗状の花は5裂しており,花冠の内側の濃色の斑点が見られます。(写真4・5)

 前出のツクシシャクナゲやその前に咲いていたアズマシャクナゲと比べると葉が細長いのが特徴で,(写真6)名前の由来になっています。

 シャクナゲの語源は中国名石南花(または石楠花)を呉音読みした「シャクナンゲ」に由来するといわれていますが,中国では石南花は別の植物のことで,誤用されたようです。

 本園ではこれらの日本産シャクナゲ以外にも色鮮やかな西洋シャクナゲもご覧いただけます。(写真7=2015/5/15撮影=種名アンナローズ)西洋シャクナゲは今日現在は未開花ですが,もうしばらくで咲き始めるはずです。園内各所で咲くモチツツジ,ドウダンツツジ,ヤマツツジそして新緑とともに様々なシャクナゲをお楽しみください。