白い花盛り〜マルバアオダモ・ズミ〜
2016.04.24 更新
天気予報ではあまり芳しくなかった今日の天気ですが,思いのほか好転し青空が広がっています。そして新緑と青空が一体となって美しい季節を演出しています。そして香りの道から望む新緑の中に,雲が浮かぶように白く咲く花が見えます。(写真1)これはマルバアオダモの花です。
マルバアオダモはモクセイ科トネリコ属の落葉高木で,北海道から九州の低山帯に生育します。同属のアオダモやトネリコとともに,その材が軽く粘り強いことから野球バットの材料として使われることで知られています。
その花は遠目で見ると綿毛のようにも見えますが,細く白い4弁の花を密に咲かせています。(写真2)雌雄異株で,雄株(雄花)は2本のオシベを,雌株は両性花をつけ2本のオシベと1本のメシベを持っています。(写真3=雄花)
マルバ(丸葉)アオダモの名前からは丸い葉が想像されますが,この葉はどちらかというと細長い形です。(写真4)その由来は幼少の葉が丸いこと,またはアオダモの葉には鋸歯(きょし=ぎざぎざの切れ込み)があるのに対し,マルバアオダモの葉にはなく滑らかであることを表す・・などの説があります。
葉以外はほぼ似ているアオダモは,マルバアオダモより涼しい気候を好み,山地でも標高1000m以上に自生するようです。従って本園で見られるものはほとんどがこのマルバアオダモです。
そして園内でもう一つ白い花盛りになっている樹木がズミです。(写真5・6)
ズミはバラ科リンゴ属の落葉小高木で,本州から九州にかけての日当たりのよい山地に自生します。
この種は属名が示すようにリンゴ(日常食べられている西洋リンゴ)とは近縁で,リンゴの接ぎ木の台木として利用されます。
花はバラ科らしい5弁花で,たくさんのオシベを持つ可愛らしい花です。(写真7)この花は真っ白ですが,つぼみの時は赤く,開いたばかりの若葉との取り合わせが美しい咲く前から楽しめる花です。(写真8=4/17)
ズミの名前はの由来は,その実に酸味があることから酢実(すみ)と呼ばれそれが転訛したもの,葉と樹皮から黄色の染料が採れることにより「染(そ)み」となってそれが訛ったもの・・などの説があります。
マルバアオダモは園内各所で,ズミはさくら園から少し先の園路沿いその他でご覧いただけます。青空と新緑そして白い花盛りの競演をお楽しみください。