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花・緑情報

リキュウバイ

2016.04.14 更新






 昨日は雨模様の一日で,特に夜中には激しく降りました。その雨に洗われて新緑が一層美しく輝いています。(写真1)木々も春の喜びを表現しているようです。そして新緑とともに様々な花が開花しています。今日は天津の森で咲き誇るリキュウバイをご紹介します。(写真2)

 リキュウバイはバラ科ヤナギザクラ属の落葉低木で,中国北西部を原産地とし,日本には明治期の末に渡来しました。

 枝先に総状花序(花序の軸に花柄を持った花が並んで付き,総[ふさ]の形になっている花のつき方)を出し,白い5弁の花を咲かせます。(写真3)

 花はウメに少し似ていますが,ずっと大きく円形の花弁は付け根が細くなっています。オシベはたくさんあり,1本のメシベは先がいくつかに割れています。(写真4)決して派手な花ではありませんが,展開したばかりの初々しい緑の葉と花の白が淡いコントラストとなり,上品な美しさを醸し出しています。

 花の後につける実は�柬果(さくか)で,果物のスターフルーツを小さくしたような可愛らしい形をしています。(写真5=2015/6/17撮影)

 リキュウバイ(利休梅)の名前は茶人である千利休にちなんでいますが,利休が生きた時代にはまだ日本にはなく,利休が好んだ・・ということではないようです。その名は茶花として愛されることから名づけられたとのことです。

 天津の森ではこのリキュウバイだけでなく,モモやウンナンオウバイその他様々な花が咲いています。目に優しい新緑とともにお楽しみください。