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花・緑情報

華やぐ天津の森〜ハナモモ〜(サクラ開花情報)

2016.04.02 更新








 ここ数日の暖かさで本園でもサクラの開花が進んでいます。例年早く咲くあじさい園奥のエドヒガンザクラはそろそろ見頃となっています。(写真1)さくら園にあって華やかに春を彩るベニシダレもピンク色に染まり満開の時を待っています。(写真2)ソメイヨシノも2〜3日前までは未開花でしたが,今は平均して2分咲きぐらいなりました。本園では来週ぐらいがお花見時になりそうです。

 そのサクラより一足早く,同じバラ科植物であるハナモモが満開となって天津の森を華やかに染めています。(写真3)

 ハナモモはバラ科サクラ属の落葉小高木であるモモの園芸品種で,果樹であるモモに対して切り花や庭木として観賞用に栽培される樹木です。実もつけますが小さく食用には適さないようです。

 基本種であるモモの花は5弁で平開するウメに似た花ですが,ハナモモは多くが八重咲きで,枝一杯に花を咲かせます。(写真4)

 花期はハナモモの方がモモより少し早い場合が多いようで,本園の場合もモモはつぼみが膨らんできたもののまだ開花していません。

 ハナモモがつくられたのは後の時代ですが,モモは古くから親しまれ,原産地中国からかなり古い時代に各地に伝わったようです。日本にも縄文時代には伝わっていたようで,縄文遺跡から種子の核が出土しています。

 ハナモモは「花」桃ですが,モモの名前はその実に由来しているようです。これには多くの説があり,定説といえるものを探すのは難しいようです。諸説の中からいくつかを挙げてみると,実の赤い色から「燃え実」と呼ばれそれが転じたという説,本当の実「真実(まみ)」が訛ったという説,多くの実をつけることから「百(もも)」になったなどがその例です。いずれにせよ名前はその実からきていることは間違いなさそうです。

  天津の森ではハナモモ以外にもオウザンモクレンが美しく咲き誇っています。(写真5)ハクモクレンに似ていますが,花の基部が赤紫で花弁の白との対比が美しい花です。またレンギョウ(写真6)やサンシュユの黄色,そして青空に映える柔らかなシダレヤナギの新緑(写真7)など春色が一杯です。