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花・緑情報

ネコの日のネコヤナギ

2016.02.22 更新






 「春は名のみの 風の寒さや・・」そんな早春賦の歌詞を思わせる今日の天気です。それでもミツマタが黄色い花を開花させ始める(写真1)など園内各所で春の胎動が感じられます。

 さて今日は2月22日。「に に に」の語呂がネコの鳴き声を連想させることから「猫の日」と呼ばれているそうです。そこでそれにちなんで「ネコ」がつく植物,ネコヤナギをご紹介します。(写真2)

 ネコヤナギはヤナギ科ヤナギ属の落葉低木で,北海道から九州にかけての水辺,特に川のほとりで株元が水につかるような場所で見られます。本園東門を出た辺りの生田川源流沿いにも何本かのネコヤナギがありましたが,2年前の台風による増水で残念ながら流失しました。

 ネコヤナギのイメージは,早春に見られる銀白食の綿毛をまとったものですが,(写真3)これは花というよりは花穂(かすい)つまり穂状の花序です。花が咲くのはこれからひと月ほど後の3月末頃になるはずです。(写真4=2015/3/26撮影)もっとも花弁もガクもない花らしくない花です。写真のものはオシベが伸びている雄花です。(雌雄は別株です)

 この冬芽は一枚のカバーのようになっており,このカバーがすっぽりと外れるようにして花穂が姿を現します。まだカバーを乗せた花穂は帽子をかぶっているように見えます。(写真5)

 ネコヤナギの名前は花穂がネコの尻尾に似ていることに由来しますが,見た目だけでなく手触りもネコの尻尾そのものです。ただエノコロヤナギという別名のエノコロは狗尾つまりイヌの尻尾のことです。皆様方はネコ・イヌいずれの尻尾に見えますでしょうか。