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森林植物園のいま(バックナンバー)

アセビ2

2017.03.04 更新







青空の下暖かな週末を迎えました。森林植物園の気温計も10℃を超え,陽だまりでは春の陽気です。あじさい園の一画ではフキノトウが顔を出し,(写真1)日当たりのよい萩の小径では,オオイヌノフグリやヒメオドリコソウが咲き乱れています。

 そしてまだ寒さが厳しかった1月半ば頃から咲き始めていたアセビが,木によっては満艦飾の花をつけています。(写真2=北アメリカ区)1月にその開花をお知らせしましたが,今日は改めてご紹介します。

 アセビは早い年には年明け早々から咲き出す,早春を告げる花のひとつです。その花は釣鐘型で先が5つに裂けており,可愛らしいおちょぼ口のように見えます。(写真3)同じツツジ科植物である(属は別)ドウダンツツジとよく似た花です。(写真4=ドウダンツツッジ2016/4/23撮影)この狭い口から花の中は分かりにくいのですが,メシベが1本とそれを取り巻くようにオシベが並んでいます。メシベの柱頭の横に見える赤いものがオシベです。(写真5)

 白い花をつけるものが基本種ですが,園芸品種には赤やピンクの花をつけるものもあります。(写真6)蕾の赤も美しいこの種は香りの丘入口付近でご覧いただけます。

 アセビの名前はその毒性に由来しており,漢字の「馬酔木」は中国北方の馬が日本に移入された際,馬が知らずに食べて中毒になったことからきているといわれています。アセビは日本特産種のため,外国産の馬がその毒性を知らなかったということでしょう。ちなみに,奈良公園にアセビが多いのはシカが食べないためだそうです。アセビという読みも,足が萎えるという「足癈(あしじひ)」が訛ったものといわれています。

そんな毒性はともかく,陽だまりの中でこの愛らしい花を眺めれば,きっと春の息吹を感じることができるはずです。野に咲く早春の草花とともに,春の先取りをお楽しみください。

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