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森林植物園のいま(バックナンバー)

冬のバードウオッチング16~ウソ~

2017.03.09 更新








三寒四温の候とはいえ,ここ数日は冬に逆戻りしたような寒さになりました。時折雪も舞っています。それでもカタクリの葉が顔を見せ,可憐な花が見られる日も近いことを知らせています。今日は冬鳥ではありますが,そんな春先に見られることが多い鳥ウソをご紹介します。(写真1)

 ウソはアトリ科ウソ属に分類される,体長15cmぐらいのスズメより一回り大きい鳥です。ヨーロッパからアジア北部にかけて広く分布し,国内では本州中部以北の針葉樹林帯で繁殖します。六甲山系には冬鳥として飛来しますが,その数は年によって大きくばらつきがあります。一昨年の冬は多数飛来しましたが,昨冬は少なく,今冬はさらに少ないように思えます。

 体色は胸が灰色そして背中は灰青色,そして翼の大部分は黒色です。(写真2)この部分を見るとそれほど目立つ鳥ではありませんが,ウソを特徴づけるのは,のどから頬にかけて取り巻くように薄いピンクに染められていることです。(写真3)ただこの色はオスだけで,メスはその部分が灰色です。(写真4)この違いで雌雄は容易に見分けることができます。またたまにではありますが,のどだけでなく,胸までぼんやりと赤っぽい個体が見られることがあります。(写真5)これはアカウソという亜種と思われます。

 その食性は主に木の実や芽ですが,繁殖期は昆虫類やクモ類なども食べているようです。本園ではイロハモミジの翼果やウツギの実などを食べる姿が見られます。(写真6)

 「フィー,フィー」という頼りなげな鳴き声は人間の口笛のように聞こえます。ウソという名前は口笛の古語である「オソ」に由来しているといわれています。その物悲しいような声は,古来人々に愛されウソヒメなどとも呼ばれていました。そんな優雅なそしてはかなげな鳥ではありますが,サクラの芽が出る頃に出没すると,その芽を食べてしまい花がまばらになることがあります。(写真7=2015/3/28撮影)またウメやモモのつぼみを食べ,果実農家に被害を与えることもあります。このあたりは自然と人間の関わりの難しいところです。

今年は数少ないウソですが,主にはさくら園や長谷池周辺で見られます。鳴き声をたよりにお探しいただければと思います。

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