あじさいは自然の状態でも変異が多く、古来より枝変わりや突然変異などから美しい品種が選抜され、人々に愛され、現在も栽培されている品種が少なからずあります。
人工交配でなく、突然変異などから見出されたもの
環境によりピンク系にもなる
両性花、装飾花とも白色だが、開花後徐々に装飾花が赤く色づく
ヤマアジサイの中で、葉に甘味成分を持つものが江戸時代に発見され、甘味料などとして利用され、花祭りに釈迦像にかける甘茶は有名。アマギアマチャは東日本型、他は西日本型が多い
一般に西洋アジサイやハイドランジアという名で流通していますが、日本のガクアジサイ、ヤマアジサイ、エゾアジサイ、ヒメアジサイなどの交雑により、人為的に作出した品種です。
古くは日本から持ち込まれたアジサイの品種改良はフランスで始まったと言われており、まだ日本国内であまり品種改良があまりおこなわれていなかった大正時代に海外から逆輸入したため、比較的派手な品種を西洋アジサイと呼ぶようになった経緯がありますが、現在は日本でも多くの美しい品種が毎年作出されています。ダンスパーティ、ミライ、フラウシリーズ、コンペイトウ、万華鏡、てまりてまり など美しい品種は日本で作出された品種で、毎年新品種が登録され、店頭に並びます。
近年では、従来の品種改良では遺伝的背景が限られるため、アジサイ属の種間交雑などで新しい品種が生み出されています。
種間交雑では通常は種子が実りにくいため、様々なバイオテクノロジー技術が活用されています。
冬アジサイ・スプリングエンジェルは群馬県農業技術センターで作出されたアジサイです。
冬でも葉を落とさない珍しい常緑性のアジサイで、室内で管理していれば1月~2月に開花します。また、初夏にも2番花を咲かせます。開花の時期が冬ということと、大きな装飾花が特徴です。
ガクアジサイの園芸品種とタイワントキワアジサイが交配親となっています。
この交配では完熟した種子が取れないため、未熟な種子から胚珠だけを取りだし、培養するというバイオテクノロジーで育てられています。
以下の3品種が2007年に品種登録されています
この花は2018年に、チェルシーフラワーショウ新品種部門で「プラント・オブ・ザ・イヤー(最高金賞)」を受賞、2019年には全国的な新品種のコンテスト、ジャパンフラワーセレクション(JFS)2019-2020の鉢物部門で「フラワー・オブ・ザ・イヤー(最優秀賞)」を受賞しました。
大きな特徴は、側枝にも花が咲き従来のアジサイとは大きく異なります。
この花は著名な日本人育種家が作出した品種で、ガクアジサイ系の品種と、日本に自生する原種を掛け合わせた画期的な品種です。
現在、ラグランジアには、ブライダルシャワーの他、テマリ咲きのオーロランジュ、シャンデリーニ、クリスタルヴェール2など次々と新品種が生まれています。