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花・緑情報

マルバノキ

2016.11.14 更新






 長谷池周辺の紅葉につきましてはこれまでもお伝えしておりますが,その長谷池から少し展示館よりのコナラ広場で,マルバノキが花を咲かせています。(写真1)

 マルバノキはマンサク科マルバノキ属の落葉低木で,愛らしい丸い葉と,美しい紅葉が魅力的な樹木です。(写真2)

 日本固有種であり,本州の中部以西と四国の中でも限られた地域にのみ自生します。マルバノキ属自体も構成するのは2種のみで,もう一種は中国原産つまりこの属は東アジアの特産です。

 暗赤色の花は5弁の針状の花弁を持ち,星状に開いています。美しい花・・というよりは地球外生物的で愛らしい葉のイメージと少し違っています。(写真3)この花の花期は葉が落ちる頃で,今は落葉を待つ葉と花や花芽が混在しています。このように花期も変わっていますが,花のつき方も普通の花とは違っており,2つの花が一つの太い花軸を中心に背中合わせについています。(写真4)

 花の中心部には2本の花柱(メシベ)が見えていますが,5本あるオシベの葯は閉じています。この花が雌性先熟であり,このメシベは先に開花した花から花粉を受け取ります。(写真5)

 マルバノキは漢字では「丸葉の木」つまり葉の形がそのまま名前になっています。別名の紅マンサクは花の色に由来しています。

 紅葉を満喫された後はこの独特な花でお楽しみください。