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花・緑情報

あじさい通信2016その6〜アナベル〜

2016.06.29 更新






 今日は朝方に一時晴れ間が見えましたが,しばらくすると梅雨空が戻ってきました。その梅雨空の下,大輪の白いアジサイ「アナベル」が見頃を迎えています。(写真1)

 アナベルは北アメリカを原産地とする大型の手まり咲きアジサイで,その真っ白な色はもちろん,半球形でバランスがとれた姿も美しい花です。(写真2)

 花はほとんどが装飾花で,咲き始めは葉緑素が残っていて薄い緑色をしていますが,(写真3)徐々に白さを増し真っ白になっていきます。

 丈を低く咲かせることができるため,花壇一杯に咲いた白い花を眺め渡せることも魅力の一つです。

 原種はアメリカの大西洋沿岸に自生するアメリカノリノキで,(写真4)その手まり咲き花のグランディフローラをオランダで選別改良したのが本種です。

 アナベルの名前は「愛すべき」という意味を持つ「アマベル」に由来するという説がありますが,エドガー・アラン・ポーの詩の中の天使の名前から採ったという説もあります。いずれにせよその優美な姿に対しておくられた名です。

 白が美しいアナベルですが,近年このピンクの品種が開発され,その可愛らしい姿が人気を得ています。(写真5)本園では地植えのものはありませんが,開放中の北苗畑に鉢植えのものがあります。

 アナベルは多目的外周路,あじさい園,北苗畑その他でご覧いただけます。梅雨の晴れ間,曇り空の下そしてそぼ降る雨の中,それぞれに輝く姿をお楽しみください。