花盛りの木〜クマノミズキ〜
2016.06.26 更新
今日は梅雨の晴れ間となりました。貴重な日曜日の晴れ間を,お出かけやお洗濯などに活用されている方も多いと思います。この梅雨の晴れ間の青空に,雲がたなびくように花を咲かせているのがクマノミズキです。(写真1・2)
クマノミズキはミズキ科ミズキ属の落葉高木で,日本では本州・四国・九州に分布しています。
枝先に上向きの花柄を出し,淡い乳白色の4弁花をたくさんつけます。オシベは四方に広がるように4本ついており,その中央にメシベが1本あります。(写真3・4)
近畿以西に多く分布するため,六甲山系でも近縁種のミズキより多く自生しています。そのためひと月ほど前に咲いていたミズキはあまり目立ちませんでしたが,園内はもとより山道などでも樹上を白く染めた姿が目を引きます。
ミズキは水木つまり「水分が多い木」という意味で,このクマノミズキも谷沿いなど水分の条件がよい場所に生育します。「クマノ」は最初に確認された三重県熊野地方に由来しています。なお同じミズキとつく樹木で,以前当ページでご紹介したヒュウガミズキとトサミズキはマンサク科に分類され,本種とは違う種類です。
花も人目を引きますが,初秋につけるその実も美しく,特に薄赤く染まった花柄の部分はサンゴのように見えます。(写真5=2015/10/3撮影)
クマノミズキは園内各所でご覧いただけますが,特に香りの道からリガの森にでる辺りでは間近にご覧いただけます。アジサイとはまた違った味わいの花をお楽しみください。