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花・緑情報

シダレブラシノキとメジロ

2016.06.18 更新







 梅雨の晴れ間の青空に鮮やかな赤い花がよく映えています。ブリスベーンの森で咲くブラシノキについてご紹介したのは2週間ほど前のことですが,再びブラシノキが咲き出しました。といっても同じ種ではなく,枝が枝垂れるブラシノキで,その赤はブラシノキよりも鮮やかです。(写真1)

 このシダレブラシノキ別名シダレハナマキは,ブラシノキと同属ですが,枝が枝垂れること,色鮮やかなことのほか樹高がずっと高いのも特徴です。写真2で手前の樹高1mほどの小木が先にご紹介したブラシノキ,奥の2〜3mほどのものがシダレブラシノキです。この木は10mほどにも成長するようです。

 花のつくりはブラシノキと同じで,穂状の花序に目立たない花弁をつけた花がたくさんつき,長く伸びたオシベの花糸が目立っています。(写真3)

 シダレブラシノキが花期を迎えると,いつもたくさんのメジロが蜜を求めてやってきます。(写真4・5)

 メジロはメジロ科メジロ属の小さな鳥で,東アジアから東南アジアにかけて分布しています。日本でもほぼ全国で見られる目の周りの白い輪が特徴的な鳥です。

 雑食性ですが甘いもの,特に花の蜜や果汁を好みます。育雛期には虫も捕食するようですが,目につくのは花に集まる姿です。花があまりない時期には木の実を食べる姿をよく見かけます。(写真6=イチイの実 2015/12/19撮影)

 通常鶯(うぐいす)色というと緑色に近い色を想像される方が多いと思います。これはメジロの体色であり,ウグイスとの混同があるようです。ウグイスの体色は灰褐色で,警戒心が強いためあまり人前に姿を見せることがありません。ただ声がよく目立つため,比較的警戒心が緩く花に集まるメジロと混同されたようです。

 この花が咲いている間はメジロもやってくると思われます。鮮やかな花と可愛らしいメジロとの取り合わせをお楽しみください。