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花・緑情報

見頃のつつじ・しゃくなげ〜セイヨウシャクナゲ・カルミア〜

2016.05.23 更新







 日本産のつつじ・しゃくなげが園内を彩ったのは4月末のことでした。それからおよそひと月経って遅咲きのつつじ・しゃくなげが見頃となってきました。これはいずれも外国産のつつじの仲間です。

 その一つが北アメリカ区入口付近を華やかに彩っているセイヨウシャクナゲです。(写真1)

 セイヨウシャクナゲはツツジ科ツツジ属の常緑広葉樹です。原産地はヒマラヤ地方を中心としたその周辺部で,それら野生種を西欧で育成改良したものがセイヨウシャクナゲです。数多くの栽培品種があり,色も赤・白・黄色と多彩で,本園のものは「アンナローズ」と呼ばれる鮮やかな赤が特徴の種です。色だけでなく花も大きく華やかに咲き誇っています。(写真2)花はもちろんですがつぼみの色も鮮やかで,(写真3)花が全部開かなくても十分見応えがあります。

 そのセイヨウシャクナゲの向かいにあって,ともに北アメリカ区入口を飾っているのがカルミアです。(写真4)

 ツツジ科カルミア属の常緑低木で北アメリカ東部を原産地としています。この仲間はアメリカからキューバにかけて7種が分布しています。通常「カルミア」として知られているものはその中のラティフォリア属で,ご紹介するカルミアもこの種です。

 五角形でお椀形をした花は花冠の内側に濃い赤紫の線が入っており,白とも薄紅とも見える微妙な色合いの花弁との対比が美しい花です。(写真5)さらに花だけでなくコンペイトウのようなつぼみも大変愛らしく,花とともに楽しむことができます。(写真6)

 アメリカのポトマック河畔はサクラ並木で知られていますが,これは東京市(当時)が贈ったもので,その返礼の一つとして贈られたものがカルミアです。そんな歴史も振り返りながら花をお楽しみください。

 セイヨウシャクナゲ・カルミアともにシアトルの森周辺でもご覧いただけます。