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花・緑情報

サンコウチョウ

2014.07.12 更新







 今日も暑い一日となりました。まだ見頃が続くアナベルの向こうにも青空が広がっています。(写真1)

 今日は夏鳥として飛来したサンコウチョウについてお伝えします。

 サンコウチョウは夏,繁殖のために日本に渡来し,冬には中国南部やスマトラに渡り越冬します。

 特徴はオスの長い尾羽そして明るい水色のクチバシとアイリングです。また頭部の冠羽が愛嬌を添えています。(写真2)

 メスは背の部分の赤褐色が強く,アイリングとクチバシの水色は不明瞭です。(写真3)

 本園では6月の半ばぐらいから野鳥の森で営巣していて,卵は孵化しましたが,残念ながら天敵にやられたようで巣立ちには至りませんでした。

 その巣はカップ型で,細い枝と枝の間にスギやヒノキの樹皮でつくられており,(写真4)雌雄交代で抱卵します。写真5はオスが卵を抱いているところです。この時はまだ長い尾羽が見えていました。そして写真6は孵化後にオスが給餌していると思われるところです。この時には長い尾羽はとれていました。尾羽は繁殖期が過ぎるととれるそうです。

 サンコウチョウは漢字では「三光鳥」で,そのさえずりが「ツキヒーホシ ホイホイホイ」と聞こえることに由来しています。

 この名前にあまり聞き覚えがないという方も多いと思いますが,静岡県では県鳥に指定されており,同県を本拠地とするサッカークラブ,ジュビロ磐田のエンブレムにその姿が月・日・星とともに描かれています。また同クラブのマスコットもサンコウチョウをモデルとしています。

 7月の初めから営巣していた場所には姿を見せなくなりましたが,園内では時折その特徴のあるさえずりを聞くことがあります。越冬地に帰るまでにまた姿をみせてくれるかもしれません。