早春のバードウオッチング18〜カケス〜
2017.03.19 更新
3連休の中日は昨日以上に暖かで春らしい一日です。桜にはまだ少し早いですが,屋外で過ごされる方も多いのではないでしょうか。そんな折,「ジェージェー」という濁った声が聞こえてくることがあります。これはカケスの声です。(写真1)
カケスはカラス科カケス属に分類され,日本では九州以北で繁殖する留鳥です。ただ北部に生息するものが冬季に南に移ったり,木の実を求めて移動したりすることがあるようで,場所によっては漂鳥でもあるようです。
体長は30数cmとハトとほぼ同じくらいの比較的大きな鳥ですが,樹上高い所にいることが多く,それほど大きさは感じられません。
特徴的なのはその体色で,額から頭のてっぺんまでは白黒のまだら模様,そして目の周りから頬にかけてが黒,(写真2)腹部は淡い紫色を帯びた暗褐色です。(写真3)特に美しいのが羽の色で,基部は黒・白そして青の格子状の模様があります。(写真4・5)羽を広げてフワフワと飛びますがその際には青と白がよく目立ちます。
食性は雑食で昆虫類が主食ですが,冬季は果実や種子類が主になり,本園でもイロハモミジの翼果を食べる姿が見られました。(写真6)
食性に関して特徴的なことは,リスなどと同じようにカシやナラなどの実,いわゆるドングリを蓄える習性があることです。その食べ残しが発芽することで,樹木の拡散を助けています。
カケス(懸巣)の名前は,マツやスギなど針葉樹の樹上に,懸けるように皿状の巣をつくることに由来しています。英名はJay(ジェイ)ですが,その鳴き声からきています。
いかつい顔にしわがれ声ですが物まねが得意で,他の鳥の鳴き声をまねたりチェーンソーや枝打ちの音をまねたりするひょうきんな鳥だそうです。声が聞こえたら樹上をお探しください。