オニシバリ
2017.03.14 更新
「早春の香り」といえばウメやロウバイを思い起こす方もおられるかと思いますが,ジンチョウゲの甘い香りが思い浮かぶ方も多いと思います。
そのジンチョウゲはまだつぼみですが,ロックガーデンでその仲間であるオニシバリが花をつけています。(写真1 2はジンチョウゲのつぼみ)
オニシバリはジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑小低木で,福島県以西の本州・四国・九州に分布し,落葉樹林内に生育します。
黄緑色の花は,ジンチョウゲと同じような筒型で先が4裂しています。花弁はなく,花弁のように見える部分はガク片です。(写真3・4)この種は雌雄異株であり,花にオシベが見えているため,この株は雄株のようです。
ジンチョウゲも含めて,この仲間はかたまって半球状に花をつけるものが多いのですが,このオニシバリは葉腋に数個の花をつけます。(写真5)またジンチョウゲほど強い香りはなく,鼻を近づけるとかろうじて分かるくらいの淡い香りです。
オニシバリ(鬼縛り)の名前は「その丈夫な樹皮は鬼を縛っても切れない」という意味のようです。また夏に一時落葉することから「ナツボウズ(夏坊主)」の別名があります。この落葉は葉の入れ替えのためのようです。
今はこのオニシバリだけですが,この仲間はこれから次々と開花していくはずです。ジンチョウゲやミツマタなどが彩る春の色と香りをお楽しみいただける日ももうそこまできています。