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花・緑情報

ひな祭り(桃の節句)

2017.03.03 更新








 今日3月3日は五節句の一つである上巳の節句です。ひな祭りや桃に節句とも呼ばれ,女の子の健やかな成長を,雛人形を飾り,白酒やちらし寿司などで祝います。また様々な地域で独自の伝統的な行事も行われています。

  本園展示館でも恒例の「手づくりのおひなさま展」を行っています。(写真1)本園らしい木の実などを使ったものもありますので(写真2=ドングリやトチの実を使ったもの)ご来園の折にはぜひご覧ください。

 さてひな祭りは桃の節句とも呼ばれるように,モモの花がよく飾られます。ただモモの花期は旧暦では今頃になりますが,今の暦ではもう少し先になります。そこで今のモモの様子を,昨年の画像を交えてお伝えします。

 モモの花期は本園の場合,3月末から4月上旬にかけてで,ウメに似たピンクの花を咲かせます。(写真3=2016/4/12撮影)原産地は中国で,バラ科モモ属の落葉小高木です。モモは古くから栽培され,その甘くみずみずしい実は世界中の人々に親しまれています。(写真4=2016/6/19撮影)それだけに改良品種も多く,花も5弁から多重弁そして花の色もピンクや白など様々です。けれども先にお伝えしたように,今はまだ細かな毛に覆われた冬芽に守られて開花の時を待っています。(写真5)

 花を観賞するためにモモからつくられたのがハナモモです。モモもたくさんの花をつけますが,ハナモモは枝一杯にびっしりと花をつけるのが特徴です。(写真6=2016/4/2撮影)開花時期はモモといほぼ同じか心もち早いぐらいです。ハナモモもモモと同様に,今日現在まだ冬芽の状態です。(写真7)ちなみにハナモモも実をつけますが,小さくて食用には向かないようです。

 この上巳の節句が桃の節句と呼ばれるのは,ちょうど花の時期ということもありますが,モモには邪気を祓う力があると考えられていたこともその理由のようです。「鬼退治をする桃太郎」も何か関係があるのかもしれません。中国では上巳の節句にモモの花を愛で,花を漬けたお酒を飲みそして葉を入れたお風呂に入っていたとのことです。「モモが持つ不思議な力で季節の変わり目を乗り越える」という意味なのでしょう。このモモの花が天津の森を彩る日ももうそれほど遠くないようです。。